こんにちは!新米義足ユーザーのこぶちゃんです。
切断手術からおよそ2カ月が過ぎたところで、術後の経過を振り返ってみたいと思います。
切断手術と聞いたら、手術時間も入院期間も長くなると思いますよね。実は、みなさんが想像するよりも短いんです!
手術時間は3時間。 入院期間は1ヶ月。
これまで手術を7回受けましたが、一番短い手術時間でした。入院期間も長くなると思っていましたが、幸い合併症もなかったので、縫合部が治癒するのを待って1ヶ月で退院しました。
今回は術後の経過をシェアしたいと思います。
切断に至った経緯や合併症の有無など個人差があるので、人によって違うのだということを頭の隅っこに置きながら、経験談の一つとして記事を読んでもらえたら嬉しいです。
予定時間よりも早く終わった手術
もともと予定されていた手術時間は6時間でした。
新しい人工関節をいれた直後の切断手術だったので、その人工関節を抜くのに時間がかかることが見込まれて、6時間ぐらいかかるだろうと主治医には言われていました。
術後に目を覚まし、母から「手術は3時間で終わったよ」と言われて、人工関節と骨の癒着がなく手術が短時間で終わったんだなと知って安堵しました。
安心したからなのか、前日まったく眠れなかったからなのか、はたまた麻酔のせいなのかは分からないけど、その日はぐっすり眠ったままだったな。
初めて断端を見た時の率直な感想
断端を見る前に、看護師さんに心の準備ができているか聞かれました。
正直、断端を目にするのは怖かったです。
ベットの布団をめくった時は、「あー、本当に足がなくなってしまったんだ」とショックを隠しきれませんでした。
家族にも看護師さんにも迷惑をかけたくない気持ちがあったので、笑顔でやり過ごしましたが、足がない自分の姿から目を背けたくなったのが本音です。
自分の体の一部を失った現実を受け入れるのには、それ相当の時間がかかると思います。
術後5カ月経った今、ようやく少しずつ自分の今の姿や状況を受け入れるようになりました。
実際の足は今までの半分しかないのに、足の感覚はつま先まであるっていうのも不思議な感覚だったな。今はもう慣れたけどね。
手術痕と薬の処方
断端の手術痕
切断者の断端を見せてもらうと、断端に対して横方向に傷が残っているパターンが多く見受けられますが、私の断端は縦方向に傷があります。
というのも、人工関節置換手術を行った時に残った縦1メートルぐらいの傷跡を残さないような形で縫合してもらったからです。
縫合部がまた感染して再手術になったりすると困るからね!
傷自体の回復は早くて2週間でまず半抜糸をしました。翌日に残りを抜糸しました。
足が短くなったから抜糸をしてくれる医師の顔が前よりも近くなって、その時に切断を実感したな~。
術後の薬の処方
既往症として感染症があったので、通常2、3日で終わる抗生剤の点滴を2週間ぐらい継続しました。
抗生剤以外にも、術後3日目から幻肢痛の薬や胃腸薬の服用を開始したので、自分が何を飲んでいるのか途中で分からなくなるくらい薬の量が多くなってしまいました。
完全に薬漬けですね(笑)
ただ予定通り順調に回復していったので、徐々に薬の量も減っていきました。
幻肢痛の薬の量が最終的に決まるのに合わせて退院日を決めました。
入院期間
入院期間はおよそ1カ月です。
これを早いか遅いかは人によって捉え方が違うと思いますが、過去の手術で今回よりも長く入院していた経験があるので、切断手術にしては退院が早いなという印象を持ちました。
感染症が幸い再燃せずに落ち着いてくれたから、合併症もなく比較的早く退院できたのかも。
退院までのリハビリ
自宅に戻った時に想定される日常動作が一通りできていないといけないということで、退院までの期間にリハビリを入念に行いました。
片足立ちで顔を洗う動作だったり、床に落ちているものを拾う動作だったり、訓練が少し必要なものを重点的に行いました。
立って歯磨きをしていると、足がない左側によろけることが何度もありました。
切断して間もない頃は足がまだあるような感覚が強く残っています。
そのため、咄嗟に足を出して体を支えようと体が動きますが、足がないので横によろけてしまうのです。
転倒を未然に防ぐためにも、片足でのバランス感覚を養うことは非常に大切です。
病院のリハ室では、片足立ちで1分間静止する練習と輪投げの練習をしました。それと同時に、エアロバイクのペダルを片足で回して健足側の筋肉も鍛えていきました。
足を切断すると体のバランスが崩れてしまうから、立った時によろけてしまうことがあるみたい。だから体幹や健足側を鍛えることも重要!
義足を使っている今でもバランス感覚のトレーニングと健足である右足の筋力トレーニングをしています。
そのおかげで、片足でもスクワットや重い荷物を持つことができるようになりました。
まとめ
以上、切断から退院までの術後の経過の様子と入院期間についてでした。
これはあくまでも個人の話で、全員に当てはまることではありません。
手術内容や合併症の有無、そもそもの切断理由によって個人差がある話なので、参考として読んでいただけたかなと思います。
「切断って他の手術より痛そう」というイメージがありましたが、意外と他の外科的手術と痛みの具合は変わらないんだなというのが私の素直な感想です。
痛くて辛いことには変わりはないと思いますが、切断手術を控える人の不安を少しでも払拭できるような記事になっていたら嬉しいです。