こんにちは!義足ユーザーのこぶちゃんです!
ついにやってきました、リハビリ初日です。1週間前に型採りしたソケットが完成して断端も成熟してきたので、リハビリを開始することになりました。
自宅で1か月間この日を待ち続けていたからやる気は十分!義足で歩くってどんな感じか想像できなかったからドキドキしてたな。
リハビリは午前と午後合わせて計4時間半おこないます。
これを長いとみるか短いとみるか人それぞれだと思いますが、個人的には「リハビリにこんなに時間をとるんだ...」と正直思ってしまいました。普通の病院であれば、1人にかけられるリハビリ時間は長くても1時間です。そう考えると、4時間以上もリハビリ時間が確保されているなんて珍しいですよね。
義足で歩けるようになるには、それだけ時間がかかるということなのかもしれません。
今のところ、順調にいけば2、3カ月で退院できるそうですが、初日が終わった今、歩いて退院するイメージは全然湧いていません(笑)
4時間半ずっと歩き続けているわけではありませんが、基本的にリハビリ中は義足のことばかり考えています。リハビリ内容もメニューが決まっているわけではないので、自由に休憩を挟みながら自分のペースで進めています。
リハビリは始まったばかりですが、これからリハビリを始める方に向けて、義足を初めて履いた時の率直な感想やリハビリの内容をシェアしたいと思います。
1. 義足の履き心地は?
義足を初めて見た時は「サイボーグみたいでかっこいい。早く履いてみたい。」と気持ちが高まりましたが、履き心地は想像していたものと違って、期待が見事に打ち砕かれました。
「これで歩き続けるのか、、しんどいな」というのが正直な感想です。バケツに足を突っ込んでいる感覚に近くて、硬いプラスチックが皮膚に当たっていることに違和感しか感じませんでした。
決して履き心地がいいとは言えない義足を一日中履き続けることができるのか心配になったというのが本音。みんなこれで歩いているのかなって思ったよ。
ソケットの強い圧迫感
大腿義足の場合、シリコンライナーの先端についているピンでプラスチック製のソケットを固定します。吸着式もありますが、一般的に初心者はライナー式を使います。断端をソケットの中に入れるとピチッとはまって、一度ピンで固定したらよほどのことがない限り抜けません。
ピンを穴に差し込んで断端をソケットに固定させる時に、断端に圧迫感を一番感じたかな。浮腫んでいる時はより強い痛みを感じたよ。
ただでさえ義足を履いているだけでも圧迫感があるのに、さらに体重をかけると足がビリビリします。この感覚に最初は戸惑うかもしれません。
ソケットが内股に直撃
ソケットは内股スレスレまであるので、調整がうまくいっていないと縁の部分が内股に当たります。大腿義足のソケットの縁はビキニラインの際どいラインを攻めているので、角度次第では内股に直撃してしまいます。
プラスチック製のソケットは硬いので当たると痛いです。調整次第で痛みが出ないようにすることはできますが、ピッタリ合うまでは痛みと向き合うことになります。
初めはソケットを履き続けていられなかったかな。何度もソケットの位置をずらして、少しでも内股が痛くならないようにしていたよ。
義足が重い
義足ってどれくらいの重さがあるかご存知ですか?
実際に義足を体重計に乗せて測ってみると、なんとその重さは3kg!片手でやっと持てるぐらいの重さです。切断手術の前後で体重を比較すると、術後に5kg近く落ちていたので義足の重さが3kgでも納得ですね。
義足で前に足を一歩踏み出す時に重いなって感じた。足があった時は気づかなかったけど、足って結構重いんだね(笑)数歩歩いただけでも太ももあたりが疲れてくるんだよね。
2. チェックソケットの外観
練習用に作られた透明のソケットは「チェックソケット」と呼ばれています。ソケットの部分だけが自分の断端の形に合わせて作られていて、他のパーツは借り物です。
プラスチック製のチェックソケットは、熱を加えるだけで形を簡単に変えることができます。
透明チェックソケットのいいところは、熱で簡単に形を変えられることの他にも、外からシリコンライナーのピンが見えるようになっているところです。どこにピン先が向いているのか分かると、ソケットの穴に差し込みやすくなって、断端の出し入れがしやすくなります。
ソケットの側面にも500円玉ぐらいの穴が開いていますが、この穴のおかげでピンをソケット底の穴に差し込みやすくなりました。(義足歴2年現在のソケットにも穴が開いています。)
3. リハビリ方法
義足側に体重をかける練習
リハビリ初日はまず義足に慣れることから始めました。平行棒に掴まりながら義足に体重をかける練習からスタートです。
慣れてきたら平行棒から両手を離して真っすぐ立つ練習をします。これが基本動作です。バランスを保とうと左右均等に体重をかけようとする動きが働くので、立つだけでもリハビリになります。
体重計で左右の足の負荷をチェック
体重計を2つ用意して、義足にどれだけ体重が乗せられているかもチェックしました。
頑張って義足に体重をかけていると思っていても、初めは体重の1/3 程度しか乗せることができませんでした。自分ではかなり荷重をかけているつもりでも、そこまで数字は伸びませんでした、、
ただ荷重を繰り返していくと、少しずつ義足に体重を乗せる感覚にも慣れてきて、リハビリが終わる頃には体重の半分を乗せられるようになりました。
健足を酷使しないようにするために、義足にも健足と同じぐらいの負荷をかけられるようになることが目標です。
退院時の目標は、義足に全体重を乗せて片足立ちができるようになること。これができるようになると、健足に頼らなくても大丈夫になるよ。義足に体重がしっかり乗せられるようになると歩きも安定するから一石二鳥!
体重は座骨にかけるのがポイント
体重を乗せるのは断端の先端ではなく座骨です。
そもそも座骨はどこにあるのでしょうか。座骨は、ベンチに座った時に座面にぶつかる骨です。触ってみると、親指の先端ぐらいの大きさの骨があるのが分かると思います。
「座骨に体重を乗せるようにして歩いてみましょう」と理学療法士の方に言われましたが、座骨に正しく乗っている感覚を最後まで掴みきることはできませんでした。その感覚を掴むのが難しいようですが、リハビリを進めるうちに徐々にその感覚が分かるようになるそうです。
座骨に乗せる感覚を掴むまで時間はかかるらしい。歩き方が綺麗な人は座骨にしっかり体重を掛けられている人なんだって。
初日の様子
リハビリ初日が終わる直前に撮った動画です。初日にしたら上出来ではないでしょうか。よく見ると平行棒から完全に手は離れてはいませんが、ひいき目で見てください(笑)
まとめ
義足をつけるだけでも一苦労だったので、初日はあっという間に時間が過ぎていきました。夕方のリハビリが終わる頃には体はヘトヘトです。
休憩が入るたびに部屋で爆睡していたよ。筋肉痛にもなったけど、それは今まで使っていなかった筋肉や腱を体重も使ったからかな?
体重を乗せる練習や歩く練習をしましたが、何よりもまずは義足を履き続ける習慣を持つことが大切だと思いました。毎日履き続けることで、義足に身体が徐々に慣れていくそうです。そのうち義足に体重を少しずつかけられるようになったり、断端がソケットに合うように変化したり、いいこと尽くしだということなので、練習に励みたいと思います!
以上、初日のリハビリの感想でした。いかがだったでしょうか。これからはリハビリの進捗具合を比較できるように、毎週末に動画を撮ってアップロードしていきたいと思います。どこまで上達するのか自分でも楽しみです。