こんにちは!新米義足ユーザーのこぶちゃんです。
入院期間が長くなると、体の筋肉は衰えていきますよね。リハビリをしているとはいえ、3ヶ月も入院していると基礎体力がグッと落ちました。
断端は脂肪でプヨプヨしていて、「大福みたい」って言われた(笑)それもそのはず。普段の日常生活と比べたら、体を動かしてないからね。
このままではさすがにマズいと思い、理学療法士さんに義足の人でもできるトレーニングがないか聞いてみました。
そこで紹介されたのがお尻の筋トレとストレッチです。
歳を重ねても義足を使い続けられるようにするには、意識的に筋トレを続けていくことが大切です。
なぜなら、義足ユーザーは歩行時に健常者より体力を1.7倍消耗すると言われているからです。
若い時は体力があって大丈夫でも、歳を重ねていくとどんどん体力は落ちていきます。健常者よりも義足ユーザーの方が顕著にこの傾向がでると思います。(特に義足側)
十分な筋肉がなければ長い距離を歩くことができなくなりますし、綺麗に歩くためには体の軸をしっかりキープできるだけの筋力が必要です。
全身の筋肉を満遍なく鍛えられることが理想ですね。
特に綺麗に歩けるようになりたいという人は、お尻の筋肉を重点的に鍛えないといけないそうですよ。体の柔軟性もあると可動域が上がるみたいなので、ストレッチを合わせて行うと効果的だそうです。
自分への戒めも込めて、「筋トレとストレッチは大事だよ!」と声を大にして言いたいです。
くどいですが、
「筋トレとストレッチ、大事です!!!」
ということで、今回は道具を使わずに簡単にできる筋トレ方法とストレッチ方法をご紹介したいと思います。
まず鍛えるのはお尻の筋肉
理学療法士曰く、大腿義足の人は膝の伸展や足を前方に出す時に動く筋肉(大腿四頭筋)が分断されている場合が多いそうです。
健常者は大腿四頭筋を無意識に動かしながら歩いていますが、義足の人は大腿四頭筋が分断されているので、別の筋肉を代わりに動かさないといけません。
そこで登場するのがお尻の筋肉です。
お尻の筋肉のスゴイところは、鍛えていくうちに体全体の傾きをコントロールできるようになること。
どういうことかと言うと、義足で接地した時にギュッとお尻の筋肉に力をいれることができるようになると、義足側に体が沈まなくなるんです。
普通であれば、義足側に体重が乗った瞬間、体全体が義足側に傾いてしまいます。
肩が一定の高さに保たれない歩き方なので、かなり体が左右に揺れているように見えます。
この揺れ幅を小さくしてくれるのがお尻の筋肉です!
義足側に沈みかけた瞬間にお尻に力をギュッと入れて体全体を上に引き上げられるようになると、肩が落ちずにまっすぐ歩くことが出来るようになります。
リハビリ前だとしても、早い段階から鍛えていて損はありません。むしろ、早めに鍛えておくのがいいのかなと思います。
お尻の筋肉が大事だっていうのは分かったけど、どうやって鍛えるんだろう?効率的なやり方ってあるのかな?
ヨガのポーズがお尻に効くって本当?
写真のヨガのポーズ!ここまで海老反りしなくても大丈夫ですが、これがまさにお尻の筋肉を鍛えるのに効果的なポーズです。
うつ伏せの状態で切断側の大腿部を上に少し持ち上げながら、しばらくキープする動きを繰り返すだけ。
でも、これが地味にキツイんです(笑)
お尻のあたりがキュッと締まっているのがわかるね。美尻になること間違いなし!
義足ができる前もこのトレーニングをベッドで朝晩2回繰り返して、お尻の筋肉を少しずつ鍛えていました。道具を必要としないので、どこでもできるのがいいところです。
義足を使うようになってからは、義足を持ち上げて数秒キープ×10回を3セットしています。
トレーニングを始めたばかりの人は義足をつけない状態でもOK。適度に負荷をかけたい時は、義足をつけながらトレーニングするといいですよ。
ストレッチも筋トレと同じくらい大事です
ストレッチで足の可動域を広げよう
筋トレの次に大事なのが、ストレッチです。
なぜストレッチが大事なのでしょうか?
それは、ストレッチが義足に適した体に仕上げてくれるからです。ストレッチで体の柔軟性が高まると、自然と足の可動域も広くなります。
実は、この可動域が義足で綺麗に歩く時のポイントになります!
可動域が広がると、義足をしっかり後ろに残しながら歩けるようになるので、自然と歩幅が広がります。
義足にしっかり乗れるようになることで、左右の足の荷重のバランスも保てるようになるので、可動域を広げるストレッチも筋トレと一緒に行うといいでしょう。
道具がなくてもできる簡単ストレッチ方法
うつ伏せになるだけのストレッチ
初めはストレッチ方法がよく分かっていなかったので、理学療法士さんにストレッチをお願いしていました。
理学療法士さんにストレッチをしてもらうと、痛気持ちいい感じで体全体が伸びてる感じがしてた。でも、普段使わない腱をほぐされた時は、顔をしかめたくなるぐらい痛かったけどね(笑)
ただ、いつまでも理学療法士さんにお願いできるわけでもないので、家でも簡単にできるストレッチ方法を教えてもらいました。
一番簡単なのは、うつ伏せになるストレッチ。
それってストレッチなのかと思いますよね?私もそう思っていました。
実は、義足ユーザーだからこそうつ伏せが効果的なんです。
義足の人がまっすぐ立っと、無意識に断端が前方に出た状態になります。断端が前に出ているほうがバランスもとりやすいですし、なにしろ楽なので、垂直におろしているつもりでも自然と前に出てきてしまいます。
どんな姿勢でも断端が前に出ている状態がデフォルトみたいになる人が多いです。私も気を抜くと断端が上に向いてしまいます。
この現象は義足の人なら誰にでも起きることですが、座っている時間が長い方は特に要注意です。
何故かと言うと、座っている時間の方が圧倒的に多い人だと断端が常に90度曲がったままになってしまうからです。つまり、一日の大半を断端が前に出ている状態で過ごしていることになってしまいます。
一見それでも問題なさそうに思えますが、この姿勢に慣れてしまうと後々大変な思いをすることになるかもしれません。
断端が前に出た状態に慣れてしまうと、足がその位置で固定されてしまうことがあります。最悪の場合、義足がはけなくなることもあるそうなので注意が必要です。
これを聞くと不安になる方もいるかもしれませんが、過度に心配することはありません。
すぐに義足がはけなくなってしまうなんてことは起きないのでご安心を!
断端が前に出た状態のまま長く放置していたら問題になる可能性があるというだけです。
もちろん、これは日々の生活の中でそうならないように意識をするだけで変わります。
じゃあ、どうしたらいいのかと言うと、答えは至ってシンプル。
うつ伏せの時間を意識的に取るだけです!
断端が上を向いているときに張っている筋肉とは逆の方向に筋肉が自然と伸ばされるので、うつ伏せの姿勢をとるだけでこの問題を解消することができます。
義足を使ったストレッチ
続いて、義足を使ったストレッチは平行棒の中で行います。
平行棒がなければ、椅子を向かい合わせに二つ並べて、背もたれの部分に両腕を置いてみてもいいかもしれません。
やり方は簡単です。義足側の膝を床につけて健足側を90度に曲げます。
上の写真のようなポーズです。もうちょっと深く膝を曲げた方がいいですが!
義足側の太ももの裏がピーッと伸ばされている感覚が分かるはずです。
この時上半身はまっすぐキープすることを心掛けましょう!
健足側を前に出すほど、太ももが伸ばされる感覚が強くなるので、ストレッチ効果が薄れてきたなと感じてきた方は徐々に前に足を出してみましょう。
正しい姿勢を意識しながら一日に数回ストレッチするといいと思います。
まとめ
綺麗に歩きたい義足の方に必見の筋トレとストレッチ方法をご紹介しました。
綺麗に歩くためのファーストステップは、筋トレとストレッチでお尻の筋力を強化することと足の可動域を広げることです。
綺麗に歩けるようになることはもちろん、基礎体力もつきます!
体は資本と言いますが、義足の人は特に人一倍気を配ることが大切です。
理学療法士さんや医師など、筋肉の動きに詳しい専門家に聞くとどの筋肉を重点的に鍛えるべきなのか教えてもらえるはずです。
一緒に筋トレとストレッチ頑張りましょう!