こんにちは!義足ユーザーのこぶちゃんです!
今回のテーマは「恋愛」です。
突然ですが、みなさんは恋してますか?(笑)
恋をするとワクワクした気持ちになりますが、悩みもつきものです。健常者でも障がい者でもそれは同じです。
私にとっては「義足であること」が大きな悩みの種でした。
コロナ禍で出会いがなかったので、今や出会いの定番になりつつあるマッチングアプリを試してみたのですが、ふと「私・・・恋愛できるのかな?」と思い悩んでしまいました。
義足であることを受け入れてくれる人がいるのかな?
どうやって義足であることを伝えればいいんだろう?
出会い方が友達の紹介とかであれば、出会う前から義足であることが分かっていたりしますが、アプリの場合はそうではありません。
義足であることをどの時点で打ち明けて会うべきなのか悩みました。
実際には、義足だと伝えた後に会うというケースが多かったですが、メッセージ上で「今後のことを考えると、義足の人を恋愛対象として見るのは難しい...」と断られてしまった時もありました。
義足じゃなければ上手くいってたのかな?なんて考えることも。
そんな中、義足であることを理解しようとする姿勢を見せてくれた方と出会いました。その方とはお付き合いは長く続かなかったのですが、義足になって初めてのお付き合いでは多くのことを学びました。
義足の自分に自信を持って、相手と向き合うこと。
義足は自分のアイデンティティのひとつであって、自分のすべてではないということ。
そして、必ずどこかに義足関係なくその人の良さに気がついてくれる人がいること。
自信がなかった自分を変えてくれるきっかけをくれる出会いでした。
ということで、マッチングアプリの経験談と恋愛観の変化について書いていこうと思います。
義足である自分に自信が持てなかったり、一歩前に踏み出す勇気が持てない義足ユーザーもいると思います。
そんな方の背中を押してあげられるような記事になれば嬉しいです。
某マッチングアプリに登録して恋人探しスタート
マッチングアプリを登録してみたのは、義足での生活が半年以上経ち生活が落ち着き始めた頃です。
職場は8割男性ですが、既婚者ばかりなので職場恋愛はNG。
しかも、コロナ禍真っ只中で外で出会いを求めるのが難しかったこともあって、街コンや友達の紹介もNG。
出会いの場ってどこなんだろうと考えていた時にたまたま目にしたのが某マッチングアプリの広告でした。
マッチングアプリを使ったことはあったけど、義足になってからは初めて。
足の手術やらで恋愛からはしばらく遠ざかっていたので、新しい出会いにワクワクしていました!
アプリに登録するまでは気持ちがかなり盛り上がっていましたが、プロフィールを埋めているときにふと我に返りました。
自分が「義足」だっていつ打ち明けるべきなんだろう?
そもそも、義足の自分を受け入れてくれる人はいるのかな?
時間をかけて義足になった自分を肯定的に見れるようになっていたのに、なぜか恋愛市場に足を踏み入れた途端、その自信がシュンと萎んでしまいました。
マッチングアプリというアプリの性質上、写真やプロフィール上の情報だけで相手を判断していくことが多いと思います。
プロフィールの段階で足がないことを伝えてしまったら、会ってもらうことすらできないのではないかと思いました。
なので写真も上半身だけのものを載せて、できるだけ義足であることに気づかれないようにしていました。
あれから2年経った今の私なら義足の写真も載せることができますが、当時の私は自分が傷つかないようにすることでいっぱいっぱいだったんだと思います。
「義足」であることは会う人だけに打ち明けた
プロフィールに「義足」と書くかどうか悩んだ末、プロフィールには何も書かないで会う約束をした人だけに伝えることにしました。
隠し事をしているみたいで不誠実なんじゃないかと思うこともありましたが、何よりも義足関係なく自分を見て欲しかったので、この方法を選びました。
たまたま「義足です!」って書いている男性のプロフィールを見かけたこともあったけど、その時は自分にはそう書く勇気はなかった...
とはいえ、いつまでも隠し続けることは当然できないので、会おうという話になった時点で打ち明けることにしました。
驚かせたくないっていう気持ちが強かったから、会う約束をした時に伝えるようにしようと思ったよ!
会う約束をする段階になって初めて事実を伝えて、会うかどうかの判断は相手に委ねようというスタンスでした。
義足を理由に断られることがあるかもしれないと思っていたので、この時は楽しみという気持ちよりも不安な気持ちの方が大きかったです。
実際に会うというところまで繋がった確率は50%
こうしてメッセージを通してやり取りをする中で、結果的にマッチングアプリを使っていた1カ月半の間に「義足」であると伝えたのは7人です。
その中で実際に会う約束まで繋がったのは3人。
50%の確率で出会いに繋がったと考えると、悲観するほどではなかったのかなと思います。
残りの4人のうち、カミングアウトした後に自然消滅したのが2人で、お断りのメールをいただいたのが2人でした。
アプリを使い始めてすぐに立て続けにお断りされたから正直凹んだね...
メッセージ上ではうまくいっていたのに、義足であることを打ち明けてから上手くいかなくなったっていうのが悲しかったです。
でも、いつまでも落ち込んだままではいられないので、気持ちを切り替えて出会いを探し続けました。
お会いした男性に共通していたことは、私を知ろうとする姿勢を持ってくれたこと
実際にお会いできた3人の男性に共通していたことは、「義足」の私だけではなく、私自身を知ろうとする姿勢を持ってくれていたことです。
どの男性も「義足はあなたの一部であって、それがすべてではない。気にしないし、実際に会って話をしてみたい」と返信をしてくれていたのが印象的でした。
お会いした時にも義足のことを気にすることなくフランクに話をすることができました。
義足でできること、できないこと、義足に至った経緯など抵抗なく話すことができたことで、心の距離はグッと近づいたような気がします。
男性側も普通なら話すハードルが上がってしまうような過去の話やコンプレックスなども打ち明けてくれました。
「義足」であることを特別視するのではなくて、自分の中身を見てくれた姿勢が嬉しかったです。
「義足」であることを一番気にしていたのは自分自身だった
出会った翌日には本を読んで義足について勉強してくれたり、気になったことがあれば質問してくれたり、義足について知ろうとする姿勢を見せてくれたのがお付き合いした彼でした。
義足であることを打ち明けた時にどう思ったのか、交際中に彼に聞いてみました。
「義足であることは全然気にならなかった。むしろ山登りをしてみたいと前向きな発言があったり、諦めずにチャレンジし続ける姿が好印象だった」と答えてくれました。
ここで初めて、義足であることを一番気にしていたのは私自身であるということに気がつきました。
それまでは義足であることを無意識のうちにコンプレックスだと思っていたからか、"彼に選んでもらった"という気持ちがあった気がします。
そんな気持ちを見透かしたのか、ある日彼にこんなことを言われました。
「自分は恋人とは対等な関係でいたい。可哀想だと思って選んだわけではない」と。
それを聞いてハッとしました。
私は無意識のうちに選んでもらった立場だと思い込んでいて、お付き合いの中で最後まで対等な関係性を築くことができませんでした。
そういう気持ちを持ち続けていると、徐々に自信がなくなって、本来の自分らしさを失っていきます。
自信を失うと上手くいくものも上手くいきません。
結果的にお付き合いは長くは続きませんでした。
「義足」に捉われすぎて自分らしさを失ってしまったら本末転倒です。
義足の自分もアイデンティティの一つとして受け入れて、自分らしさを失わないことが大事であることをこの経験から学びました。
断られることに免疫をもつ
初めて断られた時に、もうアプリをやめてしまおうかなと思ったことがありました。
マッチングしてメッセージのやりとりをしていても、義足を打ち明けたタイミングで断られてしまったからです。
「交際している姿を想像できない...」「会うのは遠慮させてください...」
義足を理由に断られることがあるたびに、スタートラインにも立てないのかと凄くショックでした。
自分の何がいけなかったんだろう?とか、義足だからかな?とか考えてしまいました。
ただ、ここでアプリをやめなかったことが大きな分かれ道だったと思います。
何度か断られると免疫がついてきて、断られるのが怖くなくなります。
開き直ったら最強です(笑)
今の自分をそのままマルッと受け入れてくれる人はいるはず!
断られた人とは縁がなかった!
断られること≠自分には魅力がない。
そういう風に捉え方を変えることで、自分を肯定することができるようになりました。
それと同時に、自分が相手に求めていることがハッキリしました。
外見を通り越して、内面を
最後に伝えたいこと
自分をありのまま受け入れてくれる人が絶対いると信じて、一歩前に踏み出してみましょう。
一歩踏み出したら、うまくいかないことがあるかもしれません。お付き合いはできないと言われることだってあるかもしれません。
障がい関係なく、誰でも断られると心が傷つきますよね。
私も断られても全然OK!なんて思えるほどのメンタルは今も持ち合わせていません(笑)
でも、ほんのちょっとの勇気を持って一歩踏み出してみることで新たな出会いが待っているかもしれません。
本当にあなたのことが好きな人は、障がいなんて関係なく、あなた自身の魅力に気がついて好きになってくれるはずです。
この記事で少しでも前向きな気持ちになる人が一人でも増えますように。